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2008年11月 一覧

2008年11月30日

なぜ私はボールペンを衝動買いしたのでしょう?

 先日書店に向かう途中で、文具店に立ち寄り、ボールペンを購入してしまいました。ほぼ衝動買いでした。
 持ったときの手になじむ自然なバランスと、シンプルなデザイン。本当に持ちやすいし書きやすい。この仕上がりで価格も良心的だと感じました。

 衝動買いの理由は、性能の良さと価格の安さだけでしょうか。ボールペンがそうであるかどうか意見が分かれるかも知れませんが、日々身につけるような『愛用品』に近いものは、機能・性能だけでは購入まで繋がりません。

 その製品デザインの背景にある物語に共感してこそ、購入に至ります。その物語がたとえ幻想であっても、人は何らかのストーリーに魅せられ、引きつけられてしまうのです。
 各所で言い尽くされている言葉ですが、基本的な性能が向上し、狭い範囲のユーザビリティが改善された後、製品の背後にある物語への共感を得られるかどうかが勝負の分かれ目だと身をもって感じました。
 もしレジに並んだ私の脳をfMRIで計測したら、相当程度活性化されていたのだろうと思います。

■関連情報: fMRI
→Wikipedia(ja)のWebサイトへリンク

2008年11月27日

お手洗いのアイコン 大きいのは → ○

お手洗いのアイコン

 ご好評をいただいているお手洗いのアイコンシリーズです。今回はアイコンというよりサインボードですが、ほとんど説明の必要はないでしょう。遠くからでもお手洗いだとすぐに認識できるサイズは重要です。
 もちろん大きければ何でも良いという訳ではなく、一定の美観を備え、周りとの調和は確保されており、バランスもいいと思います。

2008年11月26日

「カレル・チャペック その生涯と時代」 → ○

「カレル・チャペック その生涯と時代」 「カレル・チャペック その生涯と時代」

 北海道大学総合博物館で開催されている「カレル・チャペック その生涯と時代」という企画展を見てきました。
 ロボットという言葉の生みの親として知られているチェコの劇作家の生きた時代をその作品とともに振り返る内容です。

 カレル・チャペックは作家だけではなく、ジャーナリスト、エッセイスト、画家、イラストレータ、園芸家としても知られ、趣味人として様々な分野で活躍した人です。
 二つの世界大戦の間という厳しい時代に生きながら、プロフェッショナリズムに徹し、体制に流されない個をきちんと持つとともに趣味人としての余裕をも感じられるとても良い企画展でした。

 著作に紀行が多数ありますが、観察眼はとても鋭くその当時の暮らしの文脈が目に浮かぶようです。ひとびとの暮らしの情景が眼前に浮かんでくるわかりやすい紀行は、エスノグラフィーの一種と呼ぶこともできるのではないでしょうか。

 社会に問題を問うジャーナリストであれば当然だと思われますが、テクスト、写真、イラストレーションなどあらゆる表現手段を使って世に問いかけるやり方は、私たちの企画方法にも参考になると痛感しました。その才能には圧倒されますが、不思議に重い感じは受けません。よき趣味人としての余裕のなせる技でしょうか?

■関連情報: カレル・チャペック
→Wikipedia(ja)のWebサイトへリンク

2008年11月25日

練れていないWebアンケートの設問 → ×

Webアンケート設問

 Webサイトでのアンケートに回答していて気になることがありました。
 自分自身の家族について「既婚/未婚、子供の有無」を問い合わせているのですが、選択肢に『無回答』があります。
 回答している人自身が『無回答』を選択するとは、それによってどんなメッセージを伝えているのでしょうか?おそらく『回答したくない』だと想像しますが、設問の真意はよくわかりません。

 他にもいろいろと気になる点が目に付いたのですが、設問の文章の意図がきちんと回答者に伝わること、複数の意味に解釈されてしまわないことは原則だと思います。
 また、あまりにも長いアンケートは確実に回答しようとする気持ちを失います。途中で回答をあきらめてブラウザを閉じてしまうか、何も読まず最初の選択肢にチェックを付け続けるかのいずれかの運命ですね。

 自戒を込めて、設問は慎重に練る必要があります。回答データを数多く集めたとしても、精度が低く結果を分析できないのであればまったく意味がありません。

2008年11月24日

『ヨーロッパの目 日本の目~文化のリアリティを読み解く~』

『ヨーロッパの目 日本の目』

 在欧17年に渡るプランナーによる文化理解のための考え方を示した意欲的な著書です。著者の欧州でのビジネス現場の経験を経た本物の厳しいコミュニケーションの中から、欧州と日本を中心とした奥深い文化比較が行われています。

 欧州のデザインに現れる隠された文脈、歴史に裏打ちされた考え方、それらを観察する著者の視線は冷静ですが、深く熱いものを感じます。
 デザインの表層に現れるモノの背景には、そのデザインが生み出される国や地域の建築や日々の生活などに代表される様々な生活様式、ハイカルチャーからサブカルチャーまで諸々が文化、文脈として流れていると著者は説いています。

 不肖の持論ですが、このブログのテーマである「ユーザビリティ」や「使いやすさ」はまさに文脈・コンテキストの問題で、それは突き詰めていくと暗黙知の集合体であり、まさに文化の問題であろうと常々思っています。
 この考えを再認識させてもらった書籍の1冊がこの『ヨーロッパの目 日本の目』でした。

 文化差が生じないレベルでの「使いやすさ」とは、誰の目にも明らかで、検証、改善も比較的容易です。本当に難しいのは、文化差の生じない一定レベルの「使いやすさ」が解決されたあとの品質、満足感をいかに高めていくかという課題です。
 使いにくさまで至らなくても何気なく感じる違和感。この違和感がどこからくるか、何を表しているのか、文化というキーワードを通して、今後も研究テーマとして追求していきたいと思います。


『ヨーロッパの目 日本の目』
安西 洋之 (著)

2008年11月21日

電子体温計の電源スイッチ → ×

家庭用電子体温計

 体温計が壊れてしまったので安価なものを購入しました。ケースが付いていたので、以前使っていたものと同様にケースから抜けば電源が入るものと思い、脇にはさんでみたところ、何分たってもまったく反応がありません。
 液晶表示部分を見ても何も変わらないので、さては電池が入っていないのかと疑い、しぶしぶ取扱説明書をみてみました。

 なんと電源スイッチが底面にあることが判りました。アイコンや文字表示がまったくないので判りづらいのですが、底面の楕円の部分がトグルスイッチになっていて押すと電源が入ります。一度学習すればわかりますが、最低限そこが電源スイッチであることの情報提供が必要だと感じます。これでは電源スイッチの存在すら理解できません。
 コストとの兼ね合いはあるでしょうが、安価な手段でもある程度の情報伝達方法はあると思われます。

2008年11月20日

『Subject To Change ~予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る~』

『Subject To Change ~予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る~』

 Peter Merholz(ピーター・マーホールズ)氏ほか4名のAdaptive Path社の主要メンバーによる、創造的な製品・サービス開発のための考え方の指針となる書籍です。敢えてジャンル分けすればデザイン戦略を基本にしたビジネス書といえるのではないでしょうか。

 いわゆるデザイナ向けの本ではありません。しかし広義のデザインについての本質的な議論を端的でわかりやすい文章で示しています。また、ユーザビリティ業界へも批判が書かれています。

 自分自身の乏しい経験の中からでも、広義のデザインが成功していくには一筋縄では進まず、様々な要素を解決していく必要があることを知りました。その中ではビジネスマインドを持ったデザイナ、デザインマインドを持った経営幹部にはそう簡単にお目にかかることはありませんでした。

 本書はそこに焦点が当たっており、専門化し縦割りになってしまった職能別のメンバーの知恵を結集して、真に利用者のためとはどういうことなのかを、共同作業の中から見つけていくことの大切さを強調しています。


『Subject To Change ~予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る~』
Peter Merholz (著)
Brandon Schauer (著)
David Verba (著)
Todd Wilkens (著)
高橋 信夫 (翻訳)

2008年11月15日

レシートを白線に合わせてください → ×

お釣りを受け取る際の精算機のガイダンスメッセージ

 はじめて訪れるセルフ式のガソリンスタンドで、現金払いの給油をしました。セルフ給油のスタンドは利用していますが、カードでの支払いがほとんどで現金払いの経験がなかったので、恥ずかしながらかなり戸惑いました。

 後から調べてみるとデファクトになっているのでご承知でしょうが、戸惑ったのは、ATM風の機械に現金(お札)の投入口はありますが、お釣りが出てくる口がなく、少し離れたところにある精算機で、給油後に出てくるバーコードが印字されたレシートを読ませなければお釣りを受け取ることができない点です。
 さらに、お釣りを受け取る際の精算機のガイダンスメッセージがあまりよくありません。下記代案のほうが冗長ですがまだマシだと思います。

<メッセージ代案>
・レシートの印字面を下にして白線部分に乗せてください。
・レシートの文字の書いてある方を白線内にタッチしてください。
・レシートのバーコード部分を下にして光っているところにかざしてください。

2008年11月13日

ポジショニングマップのようなもの(札幌市立大学 福田ゼミ、細谷ゼミ訪問)

ポジショニングマップのようなもの

 札幌市立大学を訪問し、デザイン学部の福田先生や細谷先生のゼミ生の皆さんと情報交換をする機会がありました。岩崎学園 横浜デジタルアーツの浅野先生の来校にあわせての出席です。
 その中でゼミ生の皆さんより人がモノを「包む」行為について、様々なフィールド調査をした結果をまとめたポジショニングマップ風の資料を見せてもらいました。発表内容についてはいくつかコメントしたのですが、今回のテーマは別の視点です。

 写真のポジショニングマップは、軸が縦、横2方向にありますが、軸の両端が同じ属性項目についての多い少ないなど連続量の差異ではなく、まったく別の視点軸なのです。両端が反対語になっていません。
 これは面白いと思いましたが、私の固い頭だと違った視点の中間はいったい何を表すのだろうと迷ってしまいました。受け手が勝手に解釈してしまっただけで、実はポジショニングマップではないのかも知れません。

■関連情報: 浅野先生のブログ『札幌市立大学』

■関連情報: 福田先生のブログ『浅野先生・田附さん来校&ゼミ学生のプレゼン』

2008年11月05日

ポストモダンなハンドドライヤーの説明 → ×

ポストモダンなハンドドライヤーの説明

 オフィスやショッピングビルのお手洗いなどにある風でぬれた手を乾かす機械「ハンドドライヤー」の温風吹き出し口に表示されているさりげないビジュアルです。
 わからないではないのですが、これだけだと風ではなく、「水の流れ」を想像してしまう誤解があるかもしれません。
 ただし、この風の流れをモチーフにしたビジュアル単独では操作ガイダンスとは呼べないので×と断定してしまうには微妙です。シンプルで余計な装飾がないこと自体は良いのですが。。。


2008年11月03日

「SAPPORO DESIGN WEEK 2008」で五十嵐久枝さんの講演を聴きました。

 インテリアデザイナー、家具デザイナーという範疇では収まりきれない多彩な経歴と活動をされてきた五十嵐久枝さんの講演が、「SAPPORO DESIGN WEEK 2008」のフォーラムとして開催されました。
 これまでの作品や実際の事例の写真スライドを見ながら、五十嵐久枝さんご自身の言葉による解説は圧巻で、肉声を聞けたのはとても貴重な体験でした。

 それぞれの仕事に対しての真摯なとりくみと、お客様のリクエストの背景をきちんととらえて、それを最も活かすにはどうすればよいか徹底的に考えるというプロセスには改めてプロフェッショナリズムを強く感じました。
 特に類似の仕事であっても繰り返しではなく、常にその時代その場所に存在する意味を深く考えてデザインする重要性を説かれていたのが、印象に残っています。
 才能ある人にはユーザー要望の背景とその実現形態や表現が一瞬にして『つながる』のだと感じました。

■関連情報: SAPPORO DESIGN WEEK 2008

2008年11月01日

kitaca(キタカ)の使い勝手 → ×

kitaca(キタカ)

 2008/10/25よりJR北海道の札幌近郊の55駅でも非接触型ICカードの利用がスタートしています。
 改札機での操作系ユーザビリティについては、suicaなどで十分検証されているので、まったく問題はありません。しかしながらここでの×は、利用範囲がJRに限られていることです。

 諸事情はあると思いますが、利用範囲にある程度の広がりがあるからこそ、ICカードを持つ利便性が高くなるのです。せめて地下鉄でも同じkitacaを利用できるようにしてもらいたいものです。

バスでもsuicaが使える → ○

About 2008年11月

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