『無印ニッポン―20世紀消費社会の終焉』

70年代~80年代に輝いていたセゾングループの総帥であった堤清二氏と、マーケッター三浦展氏による、消費の未来、日本の将来を語った対談集です。
かつて三浦展氏は、セゾングループの中でも有力なポジションを占めるパルコに在籍されており、数十年後にそのトップと元社員の対談が実現するというとても面白い組み合わせに興味をそそられました。
セゾングループ絶頂期に田舎の若者であった私にとって、セゾン的なものは憧れでありイコンでした。同時代リアルタイムでは三浦氏の存在を知り得ませんでしたが、パルコのアクロス編集部での、消費社会のまっただ中にありながら消費社会に対する鋭い分析は、詩や音楽のようにとてもスリリングに感じました。
一方堤清二氏のようにカリスマとして頂点を極めていた方であればあるほど、本当の肉声としての言葉はなかなか発掘されません。インタビューの名手で話を引き出すのが得意な三浦氏との対談という形式は、人間堤清二氏をあぶり出していて、大変貴重なものです。
お二人の掛け合いのバランスがとれており、対話の流れから日本の20世紀型消費社会の拡大と終焉がわかりやすく導かれているのは、ダイアローグという形式とそのカジュアルな文体のなせる技なのかもしれません。
amazonでのレコメンデーションで、『シンプル族の反乱』と本書が並んでいるのも2010年的な光景ではっとしました。よく考えればいずれも近著なので、至極当たり前のことなんですが。
『無印ニッポン―20世紀消費社会の終焉』 (中公新書)
堤清二、三浦展(著)






